新人PTのための「再評価」— 治療は効いた?「ものさし」で確かめる
2026/6/9
この記事で分かること
読了時間:約 4 分
- ✓ 再評価は「同じものさしで、前後を比べる」だけ
- ✓ コンパラブルサインを使えば、その場で効果が分かる
- ✓ 測る → 治療 → 測り直す → 記録の4ステップ。チェックリスト付き
「治療したけど、効いたのか分からない」あなたへ
一生懸命、評価して、治療した。患者さんも「なんか楽になった気がします」と言ってくれる。でも——本当に効いたのか、自分では確信が持てない。
新人の頃、これがずっとモヤモヤしていました。手応えはあるのに、根拠がない。次回また同じことをしていいのかも分からない。
その答えが再評価です。再評価は、難しい技術ではありません。治療の前と後を、同じ”ものさし”で比べるだけ。 これができると、「効いた/効かなかった」がその場で分かり、治療が一気に上達します。
前回のフィジカル評価で見つけた「コンパラブルサイン」が、ここで主役になります。
なぜ再評価が、そんなに大事なのか
再評価をすると、3つのことが手に入ります。
- 効果が分かる:効いたか効かなかったかが、その場で判定できる
- 患者さんに示せる:「さっきより楽に動かせていますよね」と、客観的に伝えられる(→説明の仕方)
- 次の一手が決まる:効いたなら続ける、効かないなら見立てを変える。迷いがなくなる
逆に再評価をしないと、毎回「なんとなく」で治療が続き、上達が止まります。
再評価の型 ——「測る → 治療 → 測り直す → 記録」
やることは4ステップ。この順でなぞるだけです。
① ものさしを決める(治療前に測る)
治療を始める前に、**評価で見つけた「はっきり痛む・動かしにくい一点」(コンパラブルサイン)**を決めます。これが今日のものさしです。
例:「前かがみで、腰に7/10の痛み」「右肩、90度で痛みが出る」
② 治療する
立てた仮説に沿って、治療します。
③ 同じものさしで測り直す(治療直後・その場で)
治療したら、さっきと”まったく同じ動き”でもう一度測ります。ここが肝心。時間を空けず、その場で確かめます。
例:「もう一度、前かがみしてみましょう」→「さっき7だった痛みが、3になった」
④ 記録して、次回につなぐ
結果を残します。3行でOKです(→振り返りの書き方)。次回、同じものさしで測れば、回を超えた変化も追えます。
何で「測る」か — 3つのものさし
コンパラブルサインは、次の3つのどれかで測れると便利です。
【3つのものさし】
① 痛みの強さ … 0〜10で表す(NRS)。「今いくつ?」
② 動く範囲 … どこまで曲がる・上がるか(ROM)
③ 動作 … しゃがむ・歩く・振り向く等、生活動作で
数字(①②)と動作(③)を組み合わせると、説得力が増します。
やってはいけない再評価・3つ
- ものさしを変えてしまう:前は「前かがみ」、後は「反らす」で測ると比べられません。必ず同じ動きで
- 主観だけで終わる:「良くなった気がする」では次回比べられない。数字か動作で残します
- その場で測らない:時間が経つと、治療以外の要因が混ざります。治療直後がいちばん正確
そのまま使える再評価チェックリスト(コピペOK)
□ 治療前:コンパラブルサインを1つ決めた(例:前屈で痛み7/10)
□ 治療後:まったく同じ動きで測り直した
□ 変化を数字か動作で記録した
□ 効いた→続ける/効かない→見立てを見直す、を判断した
まとめ
再評価は、同じものさしで、前と後を比べるだけ。①ものさしを決める → ②治療する → ③測り直す → ④記録する。
そして、効果を測る宝物がコンパラブルサインです。評価で1つ見つけておけば、治療が効いたかを毎回その場で確かめられます。
「なんとなく良くなった」を「7が3になった」に変えていく。それが、患者さんの信頼と、あなたの自信を育てていきます。
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