Physio Kimura Academy
総論 新人PTのための入門 シリーズ:新人PTのための入門 #8

新人PTのための「再評価」— 治療は効いた?「ものさし」で確かめる

2026/6/9

新人PTのための「再評価」— 治療は効いた?「ものさし」で確かめる

この記事で分かること

読了時間:約 4 分

  • 再評価は「同じものさしで、前後を比べる」だけ
  • コンパラブルサインを使えば、その場で効果が分かる
  • 測る → 治療 → 測り直す → 記録の4ステップ。チェックリスト付き

「治療したけど、効いたのか分からない」あなたへ

一生懸命、評価して、治療した。患者さんも「なんか楽になった気がします」と言ってくれる。でも——本当に効いたのか、自分では確信が持てない

新人の頃、これがずっとモヤモヤしていました。手応えはあるのに、根拠がない。次回また同じことをしていいのかも分からない。

その答えが再評価です。再評価は、難しい技術ではありません。治療の前と後を、同じ”ものさし”で比べるだけ。 これができると、「効いた/効かなかった」がその場で分かり、治療が一気に上達します。

前回のフィジカル評価で見つけた「コンパラブルサイン」が、ここで主役になります。

なぜ再評価が、そんなに大事なのか

再評価をすると、3つのことが手に入ります。

  • 効果が分かる:効いたか効かなかったかが、その場で判定できる
  • 患者さんに示せる:「さっきより楽に動かせていますよね」と、客観的に伝えられる(→説明の仕方
  • 次の一手が決まる:効いたなら続ける、効かないなら見立てを変える。迷いがなくなる

逆に再評価をしないと、毎回「なんとなく」で治療が続き、上達が止まります。

再評価の型:①測る(前) ②治療 ③測る(後) ④記録
再評価は「測る(前) → 治療 → 測る(後) → 記録」。同じものさしで前後を比べる。

再評価の型 ——「測る → 治療 → 測り直す → 記録」

やることは4ステップ。この順でなぞるだけです。

① ものさしを決める(治療前に測る)

治療を始める前に、**評価で見つけた「はっきり痛む・動かしにくい一点」(コンパラブルサイン)**を決めます。これが今日のものさしです。

例:「前かがみで、腰に7/10の痛み」「右肩、90度で痛みが出る」

② 治療する

立てた仮説に沿って、治療します。

③ 同じものさしで測り直す(治療直後・その場で)

治療したら、さっきと”まったく同じ動き”でもう一度測ります。ここが肝心。時間を空けず、その場で確かめます。

例:「もう一度、前かがみしてみましょう」→「さっき7だった痛みが、3になった」

④ 記録して、次回につなぐ

結果を残します。3行でOKです(→振り返りの書き方)。次回、同じものさしで測れば、回を超えた変化も追えます。

何で「測る」か — 3つのものさし

効果を測る3つのものさし:痛みの強さ(NRS)・動く範囲(ROM)・動作
効果は3つのものさしで測る。数字と動作を組み合わせる。

コンパラブルサインは、次の3つのどれかで測れると便利です。

【3つのものさし】
① 痛みの強さ … 0〜10で表す(NRS)。「今いくつ?」
② 動く範囲   … どこまで曲がる・上がるか(ROM)
③ 動作       … しゃがむ・歩く・振り向く等、生活動作で

数字(①②)と動作(③)を組み合わせると、説得力が増します。

やってはいけない再評価・3つ

  • ものさしを変えてしまう:前は「前かがみ」、後は「反らす」で測ると比べられません。必ず同じ動き
  • 主観だけで終わる:「良くなった気がする」では次回比べられない。数字か動作で残します
  • その場で測らない:時間が経つと、治療以外の要因が混ざります。治療直後がいちばん正確

そのまま使える再評価チェックリスト(コピペOK)

□ 治療前:コンパラブルサインを1つ決めた(例:前屈で痛み7/10)
□ 治療後:まったく同じ動きで測り直した
□ 変化を数字か動作で記録した
□ 効いた→続ける/効かない→見立てを見直す、を判断した

まとめ

再評価は、同じものさしで、前と後を比べるだけ。①ものさしを決める → ②治療する → ③測り直す → ④記録する。

そして、効果を測る宝物がコンパラブルサインです。評価で1つ見つけておけば、治療が効いたかを毎回その場で確かめられます。

「なんとなく良くなった」を「7が3になった」に変えていく。それが、患者さんの信頼と、あなたの自信を育てていきます。