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開業・独立 シリーズ:セラピスト開業の教科書 #1

自宅サロン開業、実際いくらかかった?──理学療法士が公開するリアルな初期費用

2026/6/15

自宅サロン開業、実際いくらかかった?──理学療法士が公開するリアルな初期費用

この記事で分かること

読了時間:約 4 分

  • 自宅サロンの初期費用は約77万円。絶対に必要なのはわずか2万円
  • 物件取得費・家賃・通勤がゼロ=固定費の軽さが自宅サロン最大の武器
  • 持続化補助金(上限50万)の活用と、生活防衛資金1年分が安心の鍵

「開業したいけど、お金がいくらかかるのか分からない」

開業を考えるとき、最初にぶつかる壁がお金です。私も独立する前、いちばん不安だったのは「いったい、いくら必要なんだろう」でした。

この記事では、私が自宅サロンを開業したときに実際にかかった費用を、ほぼ全部公開します。きれいごとではなく、メルカリで買ったものまで正直に書きます。

ひとつ前提を。私は理学療法士として15年間、病院などで勤務したのち、自宅の一室(11畳)でリハビリ系の自費サロンを開きました。だからここに書くのは「自宅サロン」というスタイル前提の数字です。テナントを借りる場合とは大きく違う点に、先に注意してください。

結論:初期費用は約77万円。しかも補助金で実質はもっと下がった

先に結論から。私の初期費用は、ざっくり77万円でした。

区分内容金額
必須施術ベッド(メルカリで1万円)・タオル・枕各種・キャスター付き椅子約2万円
任意施術備品(人体模型・ストレッチポール・ヨガマット・バランスボール・チューブ・テーピング・出張用折りたたみベッド 等)約5万円
任意壁紙リフォーム・インテリア約30万円
任意プリンター・iPad(カルテ・写真動画)・決済端末(Square)約40万円
合計約77万円

ポイントは、「絶対に必要なもの」はたった2万円だということ。極端に言えば、施術ベッドとタオルさえあれば始められます。残りの75万円は「あると良いもの」で、後から少しずつ揃えても構いません。

自宅サロンだから「かからなかった」費用こそ最大の武器

この記事でいちばん伝えたいのはここです。テナント開業なら必ずかかる費用が、自宅サロンではゼロでした。

  • 物件取得費(保証金・敷金・礼金・仲介手数料)→ 0円
  • 毎月の家賃 → 0円
  • 通勤の交通費・時間 → 0円

テナントを借りると、物件取得だけで家賃の半年〜1年分(数十万〜100万円超)が最初に飛びます。さらに毎月の家賃が固定費としてのしかかる。自宅サロンは、この一番重い負担を丸ごと回避できるのが最大の強みです。

固定費が軽いと、売上がまだ少ない開業初期でも生き延びられます。これは数字以上に、精神的な余裕に直結しました。

持続化補助金で50万円。使わない手はない

もうひとつ大きかったのが、小規模事業者持続化補助金です。

開業初期に商工会へ入会し、担当の方にアドバイスをもらいながら事業計画書を作成しました。結果、経費の3分の2・上限50万円の補助金を受けられました(私の頃の採択率は約62.9%)。この50万円は、電飾付きの看板と新聞折込チラシ代に充てました。

商工会への入会と補助金の活用は、これから開業するセラピストに強くおすすめします。一人で抱え込まず、相談できる窓口を持つだけで動きが変わります。

⚠️ ひとつ注意。補助金がらみの営業電話には気をつけてください(「申請を代行します」系のもの)。怪しい番号は電話帳ナビなどで確認できます。

毎月かかるお金(ランニングコスト)

初期費用だけでなく、続けるためのお金も正直に書きます。

  • 光熱費・消耗品・サーバー代・会計ソフト など:約1万円/月
  • 広告・集客費:約10〜15万円/月(新聞折込チラシ、ホットペッパー など)

自宅なので家賃・人件費・仕入れがない分、固定費の中心は広告費です。逆に言えば、集客の費用対効果を上げることが、自宅サロン経営の生命線になります(私の経費率はおおよそ40%でした)。集客のやり方は、このシリーズの別記事でじっくり書きます。

振り返って:「ケチっていい所」と「ケチらない方がいい所」

実際にやってみて分かった、お金の使いどころです。

ケチっていい所

  • 施術ベッド:私はメルカリの1万円のものを使っていますが、まったく問題ありません。新品の高級ベッドは、開業のタイミングでは不要でした。
  • 備品:人体模型やポール類は、必要になってから買い足せば十分間に合います。

ケチらない方がいい所

  • 清潔感(壁紙・カーペット):お客様が「またここに来たい」と感じるかどうかは、空間の清潔感で大きく変わります。ここは投資する価値がありました。
  • カルテ・決済まわり(iPad・決済端末):毎日使うものなので、ストレスなく回る環境にしておくと、後がずっと楽になります。

いちばん大事な話:生活防衛資金を1年分

最後に、初期費用よりも大切なことを。

開業当初は、売上がなかなか安定しません。私も、貯金が少しずつ減っていく時期は、正直に言って不安でした。だから、生活防衛資金を最低でも1年分準備しておくことを強くおすすめします。お金の余裕は、そのまま心の余裕になります。

もし今その資金がなくても大丈夫です。アルバイトをしながら少しずつ貯めて、準備が整ってから踏み出す、というやり方も十分にあり。焦らないことが、長く続けるためのいちばんのコツでした。

まとめ

  • 自宅サロンの初期費用は約77万円。絶対に必要なのは2万円、残りは後からでも揃う
  • 自宅サロン最大の武器は、物件取得費・家賃・通勤がゼロ=固定費の軽さ
  • 持続化補助金(上限50万)は使わない手はない。まず商工会に相談を
  • 続けるための鍵は広告費の使い方。そして生活防衛資金1年分

数字も中身も、ぜひあなたの計画に当てはめて考えてみてください。「自分の場合はどうだろう」と相談したくなったら——

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