回数券が9月に0枚だった話──15か月で36枚売れた10回券の、売れない月に見えたもの
2026/10/9
この記事で分かること
読了時間:約 5 分
- ✓ 10回券72,000円(1回7,200円・60分8,000円より800円引き)を2025年6月に始めた。15か月で36枚、買った人は14人
- ✓ 使い切った24枚のうち22枚(92%)が買い直された。買い直す人は、使い切った次の来院で買う
- ✓ 2026年9月は0枚。理由は3つ。使い切った人が1人だけ。その1人が買い直さなかった。新しく買う人がいなかった
- ✓ 0枚の正体は「売れなくなった」ではなく「買う人が増えていない」。新しく買った人は2026年に6人、8月が最後
- ✓ 前受金は7月末の68回・約49万円から、10月8日の33回・約24万円へ。回数券の来院は月23回なので、残りは1か月半分
- ✓ 回数券は現金を先にもらう仕組みではなく、来院の約束を先にもらう仕組みだった。見る数字は売上ではなく残り回数
2026年9月、回数券が1枚も売れませんでした。
2025年6月に始めてから、売れなかった月は2回目です。1回目は2026年1月。その時は気にしませんでした。9月は気になりました。前の記事で、来院が1年で3割減っていたと知った直後だったからです。
0枚を分解したら、思っていたのと違うものが見えました。
回数券の中身と、15か月の実数
10回券で72,000円です。1回あたり7,200円、60分8,000円のコースより800円安い。2025年6月に、通っている方に案内して始めました。
- 売れた枚数:36枚(15か月)
- 買った人:14人
- 使い切った枚数:24枚
- 使い切って買い直した枚数:22枚(92%)
- 回数券での来院:月23〜26回。月の来院の約4割
月ごとの枚数も書きます。2025年は6月6枚、7月1枚、8月1枚、9月3枚、10月4枚、11月2枚、12月1枚。2026年は1月0枚、2月3枚、3月2枚、4月2枚、5月2枚、6月4枚、7月3枚、8月2枚、9月0枚。
最初の月の6枚は、案内した常連の方がまとめて買ってくださった分です。それ以降は月1〜4枚で、ほぼ買い直しです。
0枚の理由を3つに分ける
回数券が売れる場面は2つしかありません。使い切った人が買い直すか、初めての人が買うかです。9月はどちらも起きませんでした。
1つ目。9月に使い切った人は1人でした。他の月は1〜3人で、少ない側の月です。使い切る人が少ない月は、買い直しも少なくなります。
2つ目。その1人は、買い直しませんでした。買い直さなかった人は、15か月で2人目です。8月末に使い切った方と、9月に使い切った方。2人とも20回以上来てくださった方で、理由は聞けていません。
3つ目。新しく買う人がいませんでした。初めて回数券を買った人は、2025年に8人、2026年に6人。最後は8月です。
3つ並べると、0枚の正体が見えます。回数券が売れなくなったのではなく、回数券を買う人が増えていないのです。
買い直しは「次の来院」にかかっている
買い直した22枚を見ると、ほとんどが使い切った次の来院で買っています。当日に買ったのが4枚、残りは1〜3週間後。間隔は、その人の通う間隔と同じです。
つまり、買い直しは「使い切った日」ではなく「使い切った後の次の来院」で決まります。次の来院が空くと、そこで途切れます。
買い直さなかった2人は、使い切った後、まだ来ていません。回数券が切れたから来なくなったのか、来なくなるタイミングで回数券が切れたのか。それは分かりません。分かっているのは、使い切る前に次の話をしていなかったことです。
前受金は「来院の約束」だった
回数券の残り回数を、お金に直したものが前受金です。
- 2026年7月末:残り68回・約49万円
- 2026年9月末:残り37回・約27万円
- 2026年10月8日:残り33回・約24万円
3か月で半分になりました。回数券での来院は月23回なので、33回は1か月半分です。
ここで気づいたことがあります。私は回数券を、現金を先にもらう仕組みだと思っていました。違いました。回数券は、来院の約束を先にもらう仕組みです。
前受金が減るということは、2か月後の来院がまだ約束されていないということです。売上の表には出ません。来院の表にも、まだ出ません。先に出るのは、残り回数だけです。
通帳で見ると、別の景色
同じ月を、現金で見ます。
9月の売上は46万円。そのうち回数券の消化が23回、16万円です。この16万円は、すでにもらっているお金です。9月に現金で入ったのは、約30万円でした。
7月の売上は45万円。回数券の消化が26回、18万円。でも7月は回数券が3枚売れて、22万円が入りました。7月に現金で入ったのは、約48万円でした。
売上は45万円と46万円で同じ。現金は48万円と30万円で、18万円違います。
通帳だけを見ていると、回数券が売れた月は豊作に見え、売れない月は不作に見えます。売上の表だけを見ていると、何も起きていないように見えます。どちらも本当で、どちらも足りません。
足りないのは、残り回数です。
今やっていること
- 管理画面に、回数券の残り回数と前受金の月末推移を出した。毎月1回見る
- 残り2回以下の方に、次の来院で回数券の話をする。使い切ってからではなく、使い切る前に
- 予想を1つ固定した。「買い直しの声かけを仕組みにすれば、12月末の前受金は40万円以上に戻る」。2027年1月に、この記事に結果を書き足します
3つ目は、当たるかどうか分かりません。外れたら外れたと書きます。
開く前にできること
- 回数券を作るなら、残り回数を一覧で見られる場所を先に作る。紙でもいい
- 使い切る前に声をかける文を1つ決める。「あと2回ですね。次はどうしますか」
- 月末に、残り回数の合計を1行で記録する。売上とは別に
回数券は、売れた枚数より残り回数を見る仕組みでした。私は売れた枚数を15か月見ていて、0枚になってから残り回数を見ました。
広告費を年136万円から42万円に減らした話は、前の記事に書いています。 広告費を年136万円から42万円に減らして起きたこと──新規は月8人が3人に、利益は増えた
5年目の月次の数字は、この連載の1本目です。 自宅サロン5年目の実数──月の来院59回・客単価7,700円・利益率84%の中身
よくある質問
Q. 回数券は、結局は値引きになるだけではありませんか?
A. 1回あたり800円の値引きです。10回で8,000円、1回分に相当します。私の場合、買った14人の来院は多い人で年100回を超え、回数券の来院が月の4割を占めます。値引きの代わりに得ているのは、10回分の来院の約束です。値引き分を払う価値があるかは、2回目に来る率が低い新規ではなく、すでに通っている人に売るかどうかで決まります。
Q. 前受金は売上に入れていいですか?
A. 会計上は預かり金で、来院して消化した時に1回分ずつ売上になります。私の管理画面もそうしています。だから回数券が売れた月の売上は増えず、通帳の残高だけが増えます。逆に売れない月は、売上は横ばいでも通帳の増え方が鈍ります。通帳と売上の表は別の動きをする、と知っておくことが大事です。
Q. 新規の人に回数券を勧めたほうがいいですか?
A. 私は勧めていません。初めて来た人が2回目に来る率は34%です。10回の約束を初回にしてもらうのは、お互いに無理があります。私の回数券を買った14人は、全員が買う前から通っていた人です。3回以上来てから、が私の線です。