広告費を年136万円から42万円に減らして起きたこと──新規は月8人が3人に、利益は増えた
2026/10/9
この記事で分かること
読了時間:約 6 分
- ✓ 広告費は2023年146万円、2024年181万円、2025年136万円。2026年は1〜9月で42万円
- ✓ 2025年12月にホットペッパー(月3.4万円)と新聞折込(月1.9万円)をやめた。Google広告は2026年4〜8月に1日1,500円で試し、ネット予約0件で止めた
- ✓ 起きたこと。新規は月8人から3人へ。来院は月86回から59回へ。売上は横ばい。利益は年370万円から450万円のペースへ
- ✓ 新規1人あたりの広告費は、2024年から3年間ずっと約1.5万円。減らしても1人あたりは下がらなかった
- ✓ 一番の発見は、どの広告が効いていたか分からないまま払い、分からないままやめたこと。新規93人の経路は全部「電話」で、聞いていなかった
- ✓ やり直すなら、止める前に経路を記録する。全部を一度にやめず、1媒体ずつ3か月で見る
前の記事で、5年目の利益率が84%だと書きました。その理由の半分は、広告をやめたことです。
この記事はその続きです。2025年末にホットペッパーと新聞折込をやめ、2026年8月にGoogle広告も止めました。それから何が起きたかを、管理画面の数字で書きます。
結論は3つです。新規は月8人から3人に減った。利益は増えた。新規1人あたりの広告費は、減らす前と変わらなかった。
広告費の推移
年ごとの広告費です。管理画面に媒体ごとの月額を入れてあり、その合計です。
- 2023年:146万円(月12万円)
- 2024年:181万円(月15万円)
- 2025年:136万円(月11万円)
- 2026年1〜9月:42万円(月4.6万円)
2024年が一番多い年でした。新聞折込6.2万円、ホットペッパー3.3万円、フリーペーパー1.6万円、ポスティング、看板のリース、年末にはGoogle広告に9.4万円。月15万円は、当時の売上43万円の3分の1です。
やめた順番
一度にやめたわけではありません。順番はこうです。
2025年7月、Google広告を減らし始めました。2〜5月は月8.5〜9.5万円、7〜9月は月1〜4万円、10月でほぼゼロです。
2025年12月、ホットペッパー(月3.4万円)と新聞折込(月1.9万円)をやめました。開業1年目はホットペッパーに月6.6万円を払っていたので、終わりの頃はすでに半分のプランでした。
2026年1月から3月は、ほぼゼロです。1月にInstagram広告に2.4万円、Yahoo広告に7千円を試しました。
2026年4月から8月、Google広告を1日1,500円で再開しました。5か月で約18万円。ネット予約の経路を追えるように作り直して測った結果、広告からの予約は0件でした。8月27日に止めました。
2026年8月、新聞折込を1回だけ出しました。7.7万円です。
2026年9月以降に残っているのは、電飾看板のリース2,750円だけです。
起きたこと
数字を並べます。
- 新規:2025年は93人(月8人)。2026年は1〜9月で28人(月3人)
- 来院:月86回(2025年10月)が、月59回(2026年9月)
- 売上:年603万円(2025年)が、年601万円のペース(2026年)
- 利益:年371万円(2025年)が、年450万円のペース(2026年)
利益は約80万円増えました。広告費が減った分が、ほぼそのまま利益になっています。
来院が3割減って売上が横ばいなのは、前の記事で書いたとおり、客単価が4割上がったからです。
ここまでは「広告をやめたら利益が増えた」という、よくある話に見えます。次の数字で、見え方が変わります。
新規1人あたりの広告費は、下がらなかった
広告費を、その年に初めて来た人の数で割ります。
- 2023年:146万円÷149人=約1万円
- 2024年:181万円÷122人=約1.5万円
- 2025年:136万円÷93人=約1.5万円
- 2026年:42万円÷28人=約1.5万円
広告費を3分の1にしても、新規1人あたりの金額は変わりませんでした。払った分だけ新規が減った、ということです。
理由は、2026年の42万円の中身にあります。18万円はGoogle広告で、ネット予約は0件でした。7.7万円は8月の折込で、その月の新規は5人(他の月の平均は3人)でした。残りは看板と、会員制コミュニティの会費です。
つまり、広告費を減らしたことで新規が減ったのではなく、残した広告費の使い方が外れていた、とも読めます。どちらが本当かは、次の話につながります。
一番の発見:どの広告が効いていたか、分からなかった
2025年の新規93人の経路を、管理画面で見ました。93人全員が「手入力」です。電話で予約を受けて、私が手で登録していました。
どの広告を見て電話をかけてきたのか、聞いていませんでした。
2026年も同じでした。新規28人のうち21人が手入力。ネット予約は4人、Googleビジネスプロフィールから1人、AI検索から1人。
月15万円を4年間払って、効いた広告と効かなかった広告を分けられるデータが、手元にありません。
分かるのは月ごとの相関だけです。2025年2〜5月、Google広告に月8.5〜9.5万円を使っていた4か月の新規は、6人・12人・8人・19人でした。6月以降に絞ると、4人・6人・3人・11人・2人・5人・3人。10月から12月はホットペッパーと折込を残していましたが、新規は月2〜5人でした。
この相関から言えるのは、ホットペッパーと折込は終わりの頃ほとんど効いていなかった、ということです。確度は中くらいです。相関であって、電話で聞いた事実ではないからです。
2026年のGoogle広告が0件だったのは、経路を追えるようにしてから測ったので、こちらは事実です。
利益が増えて、来院が減る状態
利益が80万円増えたことは、良いことです。同時に、来院が3割減ったことは、来年の売上に効きます。
新規3人のうち、2回目に来る人は34%です。月1人です。常連50人のうち、年に5人が引っ越しや体調で来なくなれば、1年で入れ替わりが追いつきません。
広告をやめて増えた利益は、将来の来院を前借りしている面があります。これは広告をやめた時に考えていなかったことです。
今の私の答えは、広告を戻すことではありません。先に、来た人が2回目に来る率を上げることです。新規が月3人でも、2回目率が60%なら常連候補は月2人になります。ここは別の記事で書きます。
やり直すなら
4年前の自分に言うなら、3つです。
- 止める前に、経路を記録する。電話で予約を受けた時に「何を見てお電話くださいましたか」を1つ聞く。これだけで、効いた広告と効かなかった広告が分かる
- 一度に全部やめない。1媒体ずつ止めて、3か月の新規を見る。私は2025年7月から12月に、ほぼ全部を半年でやめた
- 浮いたお金を全部利益にしない。月1万円でいいので、来た人が2回目に来る仕組みに回す
開く前にできること
- 予約を受ける時の質問を1つ決める。「何を見てお電話くださいましたか」
- 媒体ごとの月額を1枚の表にする。年の合計を新規の人数で割る
- 広告をやめる基準を、始める前に決める。私は2026年のGoogle広告で「4週間でネット予約0件なら止める」と決めてから始めました
数字を記録しないまま広告を払うと、やめる時も勘でやめることになります。私は4年分の勘でやめて、1人あたりの広告費が変わらなかったことを、やめた後に知りました。
5年目の月次の数字(来院59回・客単価7,700円・利益率84%)は、前の記事に書いています。 自宅サロン5年目の実数──月の来院59回・客単価7,700円・利益率84%の中身
広告をやめた後の来院を支えているのは回数券です。その回数券が9月に0枚だった話を、次の記事で書きます。
よくある質問
Q. 広告は全部やめたほうがいいですか?
A. 私の答えは「分からないままやめない」です。私は年136万円を42万円に減らして、利益は増えました。ただし新規は月8人から3人に減り、来院は3割減りました。広告をやめた分の利益は、将来の来院を前借りしている面があります。経路を記録してから、効いていないものだけやめてください。
Q. ホットペッパーは整体院には効かないのですか?
A. 私の客層(平均62歳・9割地元)では、終わりの頃は効いていた実感がありませんでした。ただし私は経路を記録していなかったので、本当のところは分かりません。美容系や若い客層が中心の業態では有効な媒体だと思います。媒体の良し悪しではなく、客層と合うかどうかです。
Q. 自宅サロンに広告は必要ですか?
A. 開業1〜2年目は必要でした。私は折込チラシで6か月で黒字になりました。5年目の今は、常連50人と紹介で来院の大半が回っています。ただし新規が月3人、2回目に来る率が34%では、常連が減る分を補えません。広告は「いる・いらない」ではなく、新規をいくら払って何人取るかの計算です。